犬の下痢にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる原因と対処法があります。
犬の下痢の種類
軟便
軟便とは、便の形があって手で掴めるものの、水分が多くて柔らかい便のことをいいます。
便がまだ完全に固まっていない状態で、消化器系が一時的に水分を多く含んだ便を作っている状態です。
原因と対処法
食事の内容、フードの変更が原因になることが多いです。
新しいフードへの切り替えや食べ過ぎ、食事の材料や質が合わない場合などが考えられます。
食べ物に含まれる脂肪や添加物が消化不良を起こしていることも考えられます。
対処法しては、1日絶食をして観察し、安定してくるかどうか確認しましょう。
胃腸も休まり、消化も安定しやすくなります。
症状に落ち着きが見えたら、消化に優しい食事(白米や茹でた鶏肉など)に切り替えると、症状が改善されることが多いです。
絶食をしても軟便が続く場合には、かかりつけの獣医に相談することも検討しましょう。
小腸性下痢
小腸性下痢は、便が軟便または水分が多い便のことをいいます。
排便回数自体は通常と変わりませんが、1回の排便量が多くなる傾向があります。
また、腸内で水分が過剰に吸収されず、便にそのまま残ってしまうため、便が水っぽくなります。
水様便が長引くと体力を消耗し、脱水症状が出ることもあります。
体重の減少や元気がない、嘔吐が伴う場合は重症化の危険があります。
動物病院を受診してください。
原因と対処法
小腸に何か問題があることで、消化・吸収がうまくいかず、腸内で十分な水分吸収がされなくなります。
感染症(ウイルスや細菌)、アレルギー、腸内フローラの乱れ、寄生虫などが原因となることがあります。
下痢が続く場合は、絶食や軽い食事制限をまず試してみましょう。
感染症や寄生虫が原因の場合には、薬物治療が必要です。
不安を感じたら、早めに獣医師に相談しましょう。
大腸性下痢
大腸性下痢では、便に粘液や血が混じることがあり、便の回数が増えたり、排便があっても便が出にくく、しぶりが伴うことが多いです。
また、排便時に痛みを感じている様子を見せることもあります。
速やかに動物病院を受診してください。
原因と対処法
大腸性下痢は、腸内での感染症や腸内フローラの乱れ、アレルギー反応、またはストレスなどが原因として考えられます。
特に、細菌感染や大腸炎が関連していることが多いです。
鮮血が混じった便が見られる場合は、大腸に問題がある可能性が高いため、速やかに動物病院に相談してください。
特に出血が続く場合や排便困難が続く場合、早急に適切な診断と治療が必要です。
犬の下痢の原因
食事
食事は犬の下痢の最も一般的な原因です。
食べ過ぎや脂肪分の摂り過ぎ、または食事内容の急激な変更も引き金になります。
対処法としては、一過性の下痢であれば、普段の食事に戻すことで改善されることが多いです。
新しいフードへの切り替えは1週間以上かけて少しずつ行うと胃腸に負担もかかりにくく安心です。
脂肪分や食事の量にも注意して、消化の良い食材を選びましょう。
ストレス
人間と同様に、犬も環境の変化や不安、緊張などが原因で胃腸に負担をかけ、下痢を引き起こすことがあります。
新しい家や他の動物の存在、飼い主が長時間不在になる、旅行に行く、家庭内で新しいメンバー(赤ちゃんや他のペット)が加わるなど …
対処法としては、ストレスの原因を取り除くことが最も重要です。
安心できる環境つくりを心がけてあげましょう。
あまりにもストレスが強いと感じる場合には、かかりつけの獣医師さんに相談することもおすすめいたします。
ウイルスや細菌、寄生虫などの感染
特に注意が必要なのは、ウイルスや細菌、寄生虫による下痢です。
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬ジステンパーウイルス感染症
- 大腸菌、サルモネラ菌
- 回虫、瓜実条虫
感染症が原因の場合、速やかに動物病院で検査を受け、適切な治療を受けることが重要です。
特にパルボウイルスなどのウイルス感染症は、早期発見での治療が命を救います。
寄生虫については、駆虫薬を使用して駆除します。
病気による下痢
以下の病気が主な原因となり、下痢が起こることがあります。
- 好酸球性腸炎
- 膵炎
- 消化器腫瘍や悪性リンパ腫
- BD(炎症性腸疾患)
病気が原因で下痢が発生している場合、適切な診断と治療が必要です。
これには血液検査、便検査、超音波検査、X線検査などが含まれます。
治療方法は病気により異なりますが、薬物治療や手術が必要な場合もあります。
下痢は体力の消耗品が激しい為、3日以上続く様ならば病院へ受診をして下さい。
まとめ
犬の下痢の原因は多岐にわたります。
食事が原因であれば食事の改善や見直しで解決することが多いです。
しかし、ウイルスや寄生虫、あるいは深刻な病気が原因の場合は、早期の診断と治療が大切です。
下痢が数日続いたり、他の異常な症状(嘔吐、食欲不振、体重減少など)を伴う場合は、早めに獣医師の診察を受けましょう!